※辛口です。
7月から放送が始まったシャインポストは、中野サンプラザを満員にしなければ解散するよう事務所に言われたアイドルグループTiNgSに、専属のマネージャーが宛がわれるところから始まるアニメです。
このマネージャー日生直輝のサポートの元、グループのメンバーそれぞれの悩みにぶつかりつつ知名度を上げていくのが主な内容で、ダンスのふりが1人1人微妙にずれていたりと作画面でも力の入った本作ですが、シナリオ面ではどこか噛み合わないところがあります。
- どこに軸があるのか
- 各キャラクターの掘り下げ
6話までの時点で、その原因として大きくこの2つが理由として挙げることができます。
どこに軸があるのか
シャインポストの公式サイトでは、最初に春たちTINGSの名前が最初に出るため、主人公はTINGSの5人が主人公に見えますが、実質的な主人公はマネージャーの直輝です。
1話は直輝がマネージャーになるところから始まり、1話の最後に直樹の『嘘をついた人物が光って見える』能力が明かされました。
それでは直樹を中心に進んでいくのかというとそうはならず、杏夏や理王の悩みを解決していくため、直輝とTiNgSのどちらが主役なのかはっきりしません。
ダブル主人公という考え方もありますが、そう捉えるにはTiNgSの人数は多すぎるし、群像劇というほど多人数でもありません。
また群像劇とすると登場人物も1つの場所に固まりすぎています。
それに直輝が登場する女の子たちと協力して、特定の子の悩みを解決するという流れでもありません。
直輝の主役として捉え新天地でやり直す話とすると、杏夏や理王といった女の子たちの回想などに尺をとりすぎで、春たちを主人公とすると直輝にスポットが当たりすぎな印象を受けます。
特に直輝とケイのやり取りは直輝を主人公として見ないと、『あそこまで何度もやる必要があるのか?』という疑問も。
いわゆる○○回といったものはシャインポストにもあり、3~4話は杏夏、5~6話は理王にスポットが当たりますが、どちらの回でも最終的には直輝が悩みを解決する内容のため、春たち5人と直輝のどちらが軸なのか曖昧なところがあります。
各キャラクターの掘り下げ
またこのキャラクターの掘り下げですが、6話の時点で春、杏夏、理生についてそれぞれどんな長所を持っているのかが2話から6話にかけて描かれていて、3人の個性も出ているのですが、見ていて疑問に思う部分も出てきます。
まず春は2話で優れた観察眼があり、観客をコントロールできるとありますが、杏夏や理生から観客に意識を向けたことでどう変わったのかがいまいち分かりません。
杏夏はミスをしないことが強みですが、3~4話は歌詞をド忘れしたことがトラウマになっていてそれを解消する内容でした。
そのことについては特に言及がないまま、ミスをしないことが強みと評価されるので1人のキャラクターのエピソードとして噛み合わないところがあります。
理生に至っては『歌唱力が強みとしてあるならもっと前から歌に集中できる楽曲を用意していればよかったのでは?』と思っていまい、感動的な場面であるのは分かるものの話に乗りきれませんでした。
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