『機動武闘伝Gガンダム』はガンダムファイトやモビルファイター、ドモンたちの繰り出す技の数々、大陸のかたちをしたコロニーなど、一見荒唐無稽でハチャメチャでトンチキな世界です。
しかしすべてがそうというわけではなく、ガンダムファイトが生まれるまでの経緯などの設定はしっかり用意されています。
それらは本編では描かれない部分で知らなくても楽しめますが、知っているとGガンダムをより楽しめるように。
そんな『機動武闘伝Gガンダム』劇中の歴史について未来世紀の始まりから解説します。
未来世紀
『機動武闘伝Gガンダム』の世界の暦は未来世紀(FUTURE CENTURY又は略してF.C.)といいます。
地球に住む支配層が地球を見捨て、宇宙に各国の大陸をモデルにしたコロニーを建造し、移り住んだのが未来世紀の元年であり、支配層が荒廃した地球やそこに住む人々を見捨てたことを示します。
本作における国家が、各国が建造した宇宙に存在するコロニーのことを指すのはこのためです。
日本列島を模したネオジャパン、星型のかたちに摩天楼や自由の女神を付け加えたネオアメリカ。
これらのデザインが表すように、コロニーの姿は各国の特徴を意識したものとなっています。
また各国のガンダムファイターもネオ○○のガンダムファイターと呼称します。
話を地球に戻しますと残された人々は不安や焦燥感に苛まれ、支配層が出ていったことによる体制の不安定化もあり治安の悪化や紛争が発生。
F.C.02年に地球で第一次カオス戦争と呼ばれる大規模な戦争が起こりました。
コロニー側の各国は当初静観していましたが、宇宙にまで戦争の影響が及ぼすことを危惧し、各国が集まりコロニー連合を結成。戦争への介入を始めます。
戦争は2年後のF.C.04年にコロニー連合の勝利で終わり、地球はコロニー連合の管理下に置かれることになりました。
ですがその後、コロニー連合内で主導権争いが生まれて冷戦状態になり、第二次カオス戦争は時間の問題とまで示唆されるように。
地球への介入が目的だった第一次とは違い、コロニー間での戦争は国力を持った国同士の争いになるため地球圏の危機まで予測されました。
それを避けるためにコロニー連合の軍事顧問E.C.デューサーが、『国家の代表による機動兵器同士の代理戦争』を提唱します。
これがガンダムファイトの始まりです。
このアイディアは当初受け入れられなかったものの、ある時期を境に話が進み開催が決まるようになったという経緯があり、謎の勢力(当時のシャッフル同盟?)の影響があったのではないかという逸話も。
このような出来事を経つつ、F.C.08年に第1回ガンダムファイトは開かれました。アニメで描かれた第13回大会までの優勝した国とガンダムやガンダムファイターは以下の通りです。
- F.C.08年 第1回大会 バルカンガンダム ヘローダ・ディオニソス( ネオギリシャ)
- F.C.12年 第2回大会 ガンダムフリーダム フィアー・フィラデル(ネオアメリカ)
- F.C.16年 第3回大会 ファラオガンダムⅢ世 ダハール・ムハマンド(ネオエジプト)
- F.C.20年 第4回大会 フェイロンガンダム サイ・フェイロン(ネオチャイナ)
- F.C.24年 第5回大会 バロンガンダム フェルナンド・ロワール(ネオフランス)
- F.C.28年 第6回大会 ガンダムトーネード ビットリオ・アルジェント(ネオイタリア)
- F.C.32年 第7回大会 カイザーガンダム ウォルフ・ハインリッヒ(ネオドイツ)
- F.C.36年 第8回大会 コサックガンダム スキレイ・ジリノフス(ネオギリシャ)
- F.C.40年 第9回大会 ブリテンガンダム ジェントル・チャップマン(ネオイングランド)
- F.C.44年 第10回大会 ブリテンガンダム ジェントル・チャップマン (ネオイングランド)
- F.C.48年 第11回大会 ブリテンガンダム ジェントル・チャップマン(ネオイングランド)
- F.C.56年 第12回大会 クーロンガンダム マスター・アジア(ネオホンコン)
- F.C.60年 第13回大会 ゴッドガンダム ドモン・カッシュ(ネオジャパン)
ガンダムファイトの歴史
原則4年に1度開催され、優勝した国がコロニー国家連合の主導権を握ることになり、優勝者には『ガンダム・ザ・ガンダム』の称号が与えられます。
第1回大会の優勝国はネオギリシャ。ガンダムファイターのヘローダ・ディオニソスはバルカン柔術の達人だったため、次回以降の大会では武術や格闘技の達人がガンダムファイターに選ばれるようになりました。
しかしこの流れは第9回~第11回の3大会で、ネオイングランドが優勝し三連覇したことで揺らぐことになります。
三連覇を成し遂げたガンダムファイター、ジェントル・チャップマンは射撃の名手。
搭乗したブリテンガンダムもロングビームライフルを有していたからです。
チャップマンの活躍によりガンダムファイトで武器の規制を求める声などが生まれ、これをきっかけにコロニー間で緊張が高まり、第12回大会は4年延期することに。
この武器への規制ですが、第12回大会を東方不敗が優勝したことで格闘技が優位であるという認識が強まり、第13回大会では規制は行われないことになりました。
『機動武闘伝Gガンダム』はF.C.60年、第13回ガンダムファイトが舞台。そしてアニメ2話は以下のナレーションから始まります。
I would like, if I may, to take you……おぉ、失礼。
もしよろしければ皆様方に、このガンダムファイトをご説明させていただきましょう。
そもそも60年前の事です。
汚れきった地球を後に、宇宙へと登った人々がコロニー国家間の全面戦争を避けるため、4年に一度それぞれの代表選手を”ガンダム”と名付けられたマシーンに乗せ、ファイトと称し、闘って、闘って、闘い合わせ、最後まで勝ち残ったガンダムの国がコロニー国家連合の主導権を手にする事ができる。
なんとスポーツマンシップにあふれた戦争を作り出した事か。
ですが、残された問題が一つ。
このファイトの舞台は地球。
そう、我々の住む汚れ切った地球だったのです!
しかし、今回の大会はなにやら様子が少し違うようです。
汚れ切った地球が舞台であることが、劇中様々な場所が廃墟として登場することで描かれています。
地球に住む人々については1話で登場したベルチーノが、自身の過去を回想しながら自分たちは見捨てられたと毒づくエピソードもありました↓
この第1話ではガンダムファイトを代理戦争として明確に描いており、ガンダムファイトで親を亡くした孤児が出るなど、以降のエピソードに比べて重い内容です。
余談ですが1枚目のサントラにはドモン、チボデー、サイ・サイシー、ジョルジュ、アルゴ、レインの6人へのインタビュー形式のドラマパートを収録したトラックがあります↓
このインタビューでジョルジュは、『60年前に多くの人間が宇宙へ上がるなか、地球に取り残された人々のため、地球に残ることを選んだサンド家の志を自分は受け継いでいる』と自己紹介しています。
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