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丁寧な作りで設定も拾う『ルミナスウィッチーズ』【1~4話より】

2022年7月に放送が始まったアニメ『ルミナスウィッチーズ』は、『ストライクウィッチーズ』から始まるワールドウィッチーズの1作で、シリーズとしては過去作に当たるストライクウィッチーズと同じ舞台です。

過去作では使われなくなった設定を掘り起こすなど本作独自の要素があるものの、ルミナスウィッチーズ単独でも楽しめるアニメでした。

そんなルミナスウィッチーズについてアニメの1~4話までの内容に触れつつ解説していきます。

ワールドウィッチーズとは

まずルミナスウィッチーズの前にワールドウィッチーズについて簡単に取り上げます。

ストライクウィッチーズから始まるアニメだけでなく、ラノベや漫画まで含めたメディアミックスコンテンツの総称でアニメとしての始まりは2007年のOVAでした。

架空の1930~1940年代が舞台で突如現れた異形の存在『ネウロイ』と、魔力によって動くストライカーユニットを装着し、ネウロイと戦う魔女(ウイッチ)を描いたシリーズです。

ルミナスウィッチーズはその中で『戦わないウイッチ』をコンセプトに、過去作とは違いスカートを履いた姿で『音楽隊ウィッチーズ(仮)』として発表されました。

余談ですがワールドウィッチーズのアニメは製作がよく変わり、本作も含めて様々な会社が製作しています。

本作の声優陣も2020年に発売した1stシングルのときから声優が3人変わっています↓

ルミナスウィッチーズ

2022年にアニメの放送や配信が始まった本作ですが、コンセプトは初期のまま戦わないウイッチに焦点を当てる点が特徴の1つとして挙げられます。

本作に登場するウイッチはストライカーユニットを使うことで空を飛ぶことができるものの、様々な理由で戦闘には参加できないキャラクターばかり。

元ウィッチであるグレイスは歌が人を救うという信念で、戦闘に参加できないウィッチを集めた『航空魔法音楽隊』の設立を目指し、集まったウィッチたちが本作の主役です。

また本作では過去作ではほとんど出てこなかった使い魔の存在がはっきりと描かれるようになりました。

元々使い魔は魔力を使う際にウィッチをサポートする動物の見た目をした存在として、設定自体はありましたがこれまでのアニメでは存在がごく一部を除いてカットされていました。

劇中ウイッチに動物の耳や尻尾が生える描写がありますが、これは使い魔を使役中に起きる現象で、それぞれのウイッチの使い魔である動物の耳や尻尾が反映されているという設定です。

また本作では主人公ジニーの使い魔が音を録音し流す能力を持ち、それがヘッドホンのようなかたちで現れました。

ルミナスウィッチーズは舞台の上や空を飛びながら歌うのですが、ジニーの使い魔が音楽を流すという面白い立ち位置につきます。

1話から4話について

1話から4話は音楽隊を指揮するグレイスの『航空魔法音楽隊』発案から、何らかの理由で戦闘に参加できないウイッチが集まり、『連盟空軍航空魔法音楽隊ルミナスウィッチーズ』が結成するまでの流れを描きました。

2話までがメンバー集めで3話以降本格的に活動が始まり、4話では音楽隊の宿舎のある村でコンサートを行うことに。

音楽はあらかじめ収録したものを使う予定でしたが、本番で機材が故障したためジニーの使い魔が音楽を流すという展開でした。

この故障した機材はグロリアが用意したものであり、グロリアが1話から抜けたところのあるキャラクターでとして描かれていたため不自然さを感じない流れになっています。

ジニーの使い魔やグロリアの描写もそうですが、2話で集まったキャラクターが3~4話でまとまっていく描写が丁寧でした。

4話はウイッチではあるものの戦力にはならなかったキャラクターたちが、2話かけて段々とまとまり音楽隊として再生するまでの過程を描いているため、静かに心へ訴えてくる回です。

ですがただ感動する回ではなく、

  • ルミナスウィッチーズの名前の由来がマリアのストライカーユニットから漏れた光(そのため吐いたように見える)
  • ミラージャの音楽隊への志望動機に昔の少女漫画風の演出が入る
  • マナの抽象的な表現を唯一理解できるジニー

といったギャグ描写も多めにあるため気軽に見ることができます。

公式サイトのキャラクター紹介では各キャラクターごとに編曲や衣装といった役割が振られ、ステージで歌うのが9人であることから某スクールアイドル作品の影響を感じますがアイドル面でも独自の要素が。

上記の役割分担にはアクロバット演目考案というのもあり、ステージで歌う際の衣装も音楽隊が利用する宿舎の村にある女学校の制服をアレンジしたもので、生徒たちが疎開したため使われなくなったものを再利用したという経緯があります。

また上記の役割分担も作詞、作曲、編曲、リーダー、サブリーダー、アクロバット演目考案、ダンス振り付け、デザイン、衣装と各キャラごとに振り分けられており、グレイスにはプロデューサーという役割の記載がありました。

故郷の空

4話では3曲の歌が流れ、その中の1曲に故郷の空がありました。

これはスコットランド民謡の『Comin’ Thro’ the Rye』が原曲であり、邦訳された際は遠く離れた故郷や故郷の家族を思う歌詞がつきましたが、この歌詞は原曲を無視したもの。

元々の歌詞は『誰かと誰かがライ麦畑で出会ってキスをする』といった内容で、ライ麦は人が隠れられるくらいの大きさに成長することから、スコットランドでは卑猥な歌として受け取られるようです。

また本作に登場するキャラクターが音楽隊であるからかすでにシングルを4つ販売済み。

オープニングとエンディングの販売も告知済みで、この2点とは別でキャラクターソングCDが3枚発売予定となっています↓

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