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【ネタバレあり】アニメ『マジンカイザーSKL』を振り返る

※以前自分のブログに書いた記事を移したものです。

あらすじ

1話

重力カーテンによって閉ざされた奇械島。そこでは『キバ軍』、『ガラン軍』、『八稜郭』によるロボットを使った三つ巴の戦いが繰り広げられていました。

奇械島には各勢力にエネルギーを供給する重力炉が存在するのですが、これが暴走し地球規模の悪影響が出ることを予測したWSO(世界広域監視機構)は、スカーレットが体調を務めるグレンファルコン隊を派遣しますが由木つばさを残して全滅します。

生き残った由木は奇械島に先行して突入したデスカプリース隊の生き残り、海道剣と真上遼の2人が操縦するマジンカイザーが、島のロボットを相手に無双する姿を見つけました。

2話

キバ軍を倒し由木がキバの砦の遠隔制御装置を止めた後、海道と真上は由木の仲介で八稜郭と共同戦線をとり、八稜郭にガラン軍が攻めてきたことに対し2人はガラン軍の城に殴り込みをかけますが、ガランとの戦闘時に真上が正気を失いマジンカイザーは敗北します。

一方由木は八稜郭を守るため自分が奇械島に来るときに乗ったカーゴシップに向かいました。

3話

カーゴシップの中にはスカーレットが乗るはずだったロボットウイングルがあり、由木はそれに乗り八稜郭に加勢します。正気に戻った海道も真上とともにマジンカイザーでガランともう1度戦いますが決着はすぐにつきました。

ガランが別のことに意識を向けてしまったのが敗因で、その原因のキバは重力炉を制御していたアイアンカイザーに乗りマジンカイザーに挑みます。

制御されなくなった重力炉の暴走による異常気象の中、カイザー同士の戦いを知った由木はウイングルのパーツを分離しました。マジンカイザーとウイングクロス(合体)させるためで、飛行能力を得たマジンカイザーとアイアンカイザーとの戦いが始まります。

マジンカイザーSKLは2011年の1月から4月にかけて発売されたOVAで、販売に先駆けて『ANIME FES.“VS”』として一部の劇場で上映されました。

この企画は新作OVAを3つセットで劇場で流すというもので、『enter jam』に舞台挨拶時の記事があります(ANIME FES.“VS”のサイトは現在閲覧不可になっています)。

ストーリーはシンプルで身体能力の優れたパイロットがロボットに乗って戦うことが話の主軸と書いても構わないレベルです。

マジンカイザーSKLヴァーサス(1) (Emotion Comics)

漫画『マジンカイザーSKLヴァーサス』や『魔神大戦21』に収録された小説『PROJECT KAIZER 誕生編』、『電撃ホビーウェブ』で連載された『猟界のゼーレン』がスピンオフとして存在。

キャラクターの名前や外見には、マジンガ―以外の作品から名称や設定面で影響を受けていますが、これらはこの記事では割愛します。

主なロボット

マジンカイザー

スーパーロボット超合金 マジンカイザー マジンカイザーSKL 約170mm ABS&PVC&ダイキャスト製 塗装済み可動フィギュア

マジンカイザーSKL』はタイトルで劇中ではマジンカイザーと呼ばれます。このロボットは海道と真上のどちらかが操縦の主導権を握る仕組みで、海道の時は格闘や剣を使って戦い、真上の時は2丁拳銃と斧で戦います。

強大な剣を持ったままロケットパンチのように両手を飛ばして敵ロボットを薙ぎ払い、映画『リベリオン』のガン=カタを意識したガンアクションもしたりと、劇中でも暴れまわりますがマジンガーらしい武器も持っています。

ウイングル

マジンカイザーのサポートロボット。本来のパイロットが死亡したため由木が代わりに操縦しますが、それでも八稜郭の戦力になりマジンカイザーに合体用のパーツを届けました。

空を飛べるのですがマジンカイザーにパーツを与えると飛行能力を失います。

爆劉鬼(ばくりゅうき)

キバ専用のロボット。下半身が戦車のように見えますが砲台とキャタピラのついた台座で、そこから降りてカイザーとの格闘戦を繰り広げます。

ガイストテレス

ガラン専用ロボット。槍が武器でマジンカイザーを上回る性能を持ち初戦は圧倒しましたが、再戦時には隙をつかれてあっさり倒されました。

サイコギア

八稜郭のロボット。八稜郭の女性達の超能力を増幅して見えないシールドを張ることで八稜郭を守ります。リーダー機にはスカートと人間の髪型のようなパーツが付属。

アイアンカイザー

ガランの城に隠されていたロボット。重力炉を制御していましたキバが乗ることで制御がなくなりした。重力炉と同じリアクターで動いているため重力を使った攻撃もできます。

紳士な2人

敵に対する行動と発言に比べ真上と海道は意外と紳士です。

2人とも由来越しにスカーレットの死を知った時は悔やむ言動を見せ、由木に軽口を叩く海道に真上が注意し、ガランと戦いたいと言う真上に海道はマジンカイザーの操縦を預けます。

アイアンカイザーとの戦闘中に由木から通信が入った時も真上が「俺が聞く」と返事し、重力炉の暴走を止める方法を由木に聞いた時も反発しませんでした。

そんな2人ですが八稜郭のキャラクターからは敵味方まとめてロボットを真っ二つにされたことや、3すくみの関係を壊し総力戦が始まるきっかけになったことから疫病神とも言われています。

味方と決めた相手は乱暴な手段を使ってでも助け、他人の能力を評価し頼りにすることもできる2人ですが、本人達は周囲から好意的には見られていません(由木も1話で「あの2人はまともじゃない」と言っています)。

またこのアニメには小出しにされた設定や本当はもっと色々や要素があったんじゃないかと思わせるものがあります。

その代表的なものがエルプスユンデという人造人間で、真上がガラン戦で正気をなくしたのもエルプスユンデであることをガランに指摘されたからでした。

ですがこのエルプスユンデは真上の回想に少し出てくるだけで、真上がどんなコンプレックスを抱えているのかは具体的に描写されていません。

エルプスユンデという単語自体ガランの口から1度出てくるだけで、奇械島に住む人間はエルプスユンデであると遠回しにガランの口から語られますが、真上の乱心以外に話への影響はありませんでした。

また1話が始まってすぐに亡くなりその後一切出番のなかったスカーレットや、本編では使っていない剣を持ったサイコギアがオープニングに出ていたこと。

先の大戦」「マジンカイザーは曰く付き」という台詞があっても掘り下げられないことも含めて、本当はもっと話数があったのに短縮されたんじゃないかとも考えられます。

とはいえシンプルにマジンカイザーを筆頭に暴れるロボット達は見ていて面白く、2人乗りの設定を生かした派手な殴り合いもガンアクションがあり、エログロ要素も控えめなのですかっとしたい時に見るアクションとして十分楽しめるアニメでした。

様々な都合があるのは分かるのですが、本編もサントラも一部でしか配信されていないことにもったいなさを感じます。

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