※以前自分のブログに書いた記事を移したものです。
「グランディア HDコレクション」発売いたしました。
わくわくする冒険を、戦略的な戦闘を、すてきな音楽を、ぜひお楽しみください。 #GungHoOnline https://t.co/SMxMEXbxjP pic.twitter.com/b1xRshb888— GAME ARTS | ゲームアーツ (@GA_Express) 2020年3月25日
以前「グランディア」について触れたのでHDコレクションに入っている2作目も忘れてはいけないと思い今回は「グランディアⅡ」について取り上げることにしました。
また今回はシナリオの根幹に関わる設定にも触れるので、前回と違いネタバレありです。
どんなゲーム?
「グランディアⅡ」は2000年にドリームキャストで発売し、後にPS2に移植。前作のキャラクターは2Dでしたが今作はキャラクターも3Dになりました。
RPGとしては決して悪い出来ではないのですが前作に比べて評価は低いですが、これは主にシナリオ面に理由があります。
シナリオについて
リュード
主人公のリュードはジオハウンドという何でも屋のような職業につき、仕事の一環でエレナという少女の護衛を受けるところから物語は動き出します。
前作の主人公ジャスティンと違い旅に出るのは受け身な動機からで、前向きな気持ちはありません。
序盤はエレナの要求を受け入れたり起きた出来事に対処していく形で話が進むので、前作のジャスティンのように自分から行動を起こすこともありませんでした。
ジオハウンドになったのも後ろ向きな理由があり、それはシナリオを進めることで明らかになっていきます。
エレナ
ヒロインのエレナはグラナス教の見習い神官で、他の神官と一緒に邪神ヴァルマーを封印する儀式に参加しますが、それは失敗に終わりエレナはヴァルマーの一部にとり憑かれます。
その結果エレナの中にミレーニアという人格が生まれ、ミレーニアの人格が表に出ると同時に外見も変わるようになりました。
エレナは自分の体からミレーニアを切り離すため、グラナス教の総本山セントハイムを目指し、不本意ながらそこまでの護衛をリュードに依頼します。
キャラクターの描写
以上が導入のストーリーですが、世界中を冒険するような外を向いたものではなく、リュードもエレナも自身の内面に向き合うシナリオです。
2人は道中でエレナのようにヴァルマーにとりつかれた人物に出会うのですが、ヴァルマーの人の欲望をエネルギーにするという設定のため、人間絡みの暗いエピソードが続き、中には後味の悪いものもあります。
前作のような冒険活劇を期待していた方にとっては求められていないシナリオなので、それが評価を下げる原因の1つでした。
シナリオでの低評価の原因としては他に、パーティ人数の少なさやはっきりしない三角関係も挙げられます。
前作では計8人のキャラクターがパーティに加わりますが、今作は6人でそのうち2人はエレナとミレーニアと実質1人。
この2人は特定の戦闘でエレナの代わりにミレーニアが姿を現して戦闘に参加したり、2人同時に出たりしますが、シナリオの途中でパーティから抜けるのは1人だけなので、前作に比べるとどうしてもこじんまりとした印象が拭えません。
三角関係はリュードとエレナとミレーニアの3人で起き、恋愛色が強めに描写されますが、リュードがどちらを選んだかははっきりしないまま終わりました。
www.kinokuniya.co.jp設定資料集の表紙でもエレナとミレーニアがリュードの腕に抱き着いています。
システム面で大きな変化がなかったのも二番煎じ感があり、評価の低さに繋がったと考えられます。
前作のように冒険者が時代遅れになった設定があるわけでもないのに、劇中でリュード以外にジオハウンドがリュードの恩人しか出てこないなど細かい粗も目につきました。
また前作の世界の果てを意識したようなグラナグリフという巨大な崖が出てくるのですが、これをロープウェイのようなものであっさりと超えてしまうことにも拍子抜けしまます。
ファンタジーとSFのバランス
ここまで読むと悪い印象ばかりつくかもしれませんが、もちろん「グランディアⅡ」にも長所はあります。
舞台となる大陸の地面にはグラナサーベルという巨大な剣が突き刺さっていますが、シナリオを進めると実は剣ではなく宇宙戦艦であることが判明。
リュードたちを載せて宇宙に出る展開があり、グラナス教が崇めるグラナスも元々は宇宙からやって来たエネルギーのような存在であることが分かるというSF的な要素が徐々に出てきます。
グロテスクなモンスターや暗く生々しいエピソードなど、前作にはない特徴もありました。
ただその結果良くも悪くも中二病要素の強い普通のRPGになってしまい、世界中を冒険した前作に対しあくまで一地域が舞台なこともあり、前作のようなゲームを求めていた方が望んでいたものではなかったんですよね。
それでもグランディアシリーズを始めて遊ぶ方や、前作のような冒険活劇じゃなくても大丈夫な方なら楽しめます。
音楽や食事などグランディアらしさが残っている部分もあり、戦闘は相変わらず面白くて理不尽さはありません。
しかし技や魔法の演出が前作に比べて全体的に長くなり、スキップ機能もないので戦闘のテンポは前作に比べて悪くなり、一部のモンスターが前作では見なかったグロテスクな外見をしています。このことも評価を下げる一因でした。
- UI、スプライト、テクスチャアートを強化
- ゲーム内ムービーの視覚効果を向上
- ワイドスクリーンサポート
- MSAA、ブルーム、法線マッピング、およびぼかし効果などCG処理を追加
- 難易度設定機能(Normal、Hard)
HDコレクションの追加要素は以下の通りで難易度を設定できるようになったので、すでに遊んだ方もこの機会にもう1度遊んでみてはどうでしょうか。
明日、3/21はニンドリの発売日です。
ニンドリ5月号での連載「音符の隙間」では『グランディア HD コレクション』に収録されている曲達について譜面付きでみっちりじっくり書いています。是非ご覧になってくださいませ!— 岩垂徳行@Noriyuki Iwadare (@iwadaren) 2020年3月20日
現在(2020年4月6日)発売中のニンドリにて作曲を担当した岩垂徳行さんが曲についてコラムを書いてます。
HDコレクションを発売したガンホーのチャンネルで、キャラデザを担当したかのえゆうし先生へのインタビューを見ることができます。
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