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ラノベ【グッバイ宣言】歌詞とは裏腹な王道ストーリー

楽曲が原作であり、ラノベ化してコミカライズもしたグッバイ宣言についての解説や感想を書きました。

目次

あらすじ

あの『グッバイ宣言』が、Chinozo原作・監修で青春ストーリーに!

単位さえ落とさなきゃいいや、学校に行くのは最低限でも。
でもまあ、無難に勉強はして、普通に大学にも行って、なんとなくサラリーマンとかになって……。
家に籠ってゴロゴロしながら、そんなありきたりな未来を思い描いていた。
でも高校最後のあの春に、破天荒で天真爛漫で、そして誰よりも夢に向かって真っすぐなキミに出会い、染められてしまったんだ。

正反対のはずだった二人が出会い惹かれ合う。
恋と夢の実現という天秤で揺れる、二人の選択は――。

本当の自分自身と向き合い、うわべだらけの昨日にサヨナラを宣言し、青い春に狂い咲け!

Amazonより
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本作について

『グッバイ宣言』はMF文庫Jから2021年10月に発売されたライトノベルです。

2020年4月に投稿され、YouTubeで1億再生を突破した楽曲『グッバイ宣言』を原作とした小説で、著者は三月みどりさん、イラストはアルセチカさんが担当し、原作・監修はChinozoさんが行いました。

続編に『シェーマ』、『エリート』、『TAMAYA』があり、2023年10月現在でシリーズ全4作が発売中です。

本作について

単位を落とさない程度に高校へ通い、無難に勉強して普通に大学に行き、なんとなくサラリーマンになる未来を思い描く桐谷翔。

そんな彼が校内にファンもアンチも大勢いる七瀬レナと知り合い、夢にまっすぐなレナに影響されて引きこもりから変わっていくストーリーです。

本作への評判は様々で、高評価と低評価の理由がはっきりしています。

またどちらかというと引きこもりに対して肯定的な歌詞に対し、引きこもりの主人公が外の世界に出て現実と向き合う話であるため、そのことに違和感を持つ方もいるでしょう。

このことについてですが、本作の最初にある『はじめに』という項目にChinozoさんのコメントがあり、その一部でこのことに触れています。

楽曲の世界観とは異なりますが、一つの作品としてぜひ楽しんでいただけると幸いです

『はじめに』より

高評価の理由

高評価の理由としてはまず、主人公が1人の少女との出会いをきっかけに変わっていく王道なストーリーを挙げることができます。

本作は翔の一人称で進むのですが、地の文も会話劇もテンポよく進み、会話劇もサクサク進むためダレることなく読むことができました。

動画のサムネに使われる例のポーズも登場しますし、ほぼ引きこもりで作者が後書きで中途半端と評価した翔の序盤の言動も、引きこもり陰キャの描写に説得力があります。

レナがハリウッド女優を目指して劇団に入団している設定も、咲が元子役であることが明かされることでレナを敵視する理由も分かる丁寧な構成でした。

ラノベにありがちな凝った表現も少なく、角川つばさ文庫や青い鳥文庫の延長として読める点も、小学生でも知っているであろうグッバイ宣言の知名度を考えれば好意的に評価できます。

またChinozoさんとアルセチカさんのコメントに縦読みが仕込まれているのも面白いです。

低評価の理由

低評価の理由としては主にキャラクターの描写の薄さが挙げられます。

レナは原曲や表紙のようにいつも白いパーカーを着ており、このパーカーを自分のトレードマークだというキャラクターです。

校則では禁止されているパーカーを着続け、学校側の黙認を勝ち取ったことを劇中でも語られていますが、なぜそこまで白いパーカーにこだわるのかは最後まで明らかになりません。

また翔がレナの家を訪れ、レナが部屋着で出迎える場面があるのですが、レナの部屋着については可愛らしいの一言で済まされています。

このキャラクターの描写の薄さは全体と通していえることで、外見についての描写はイケメンや美少女程度の説明が大半でした。

またレナに反発するキャラクターとして、綾瀬咲と阿久津篤志というキャラクターがいます。

2人はクラスの中でカースト上位の陽キャグループという立ち位置ですが、このグループの立花芽衣はパシリとして雑に扱われており、レナはそれが許せず2人と対立する理由の1つとなっています。

終盤レナは咲や篤志とは一応は和解はするものの、芽衣については途中から全くといっていいくらい触れなくなるので、レナを活躍させ翔と関わる接点になった程度の出番しかありません。

咲と篤志が好き放題やっている描写にページが割かれているのもあり、芽衣についてはモヤっとした読後感が残りました。

ラノベを普段から読んでいると、グッバイ宣言は物足りなさを感じる内容であることは否定できません。

それでも好意的な反応も多くあり、物語の深みやキャラクター間の関係性や描写の深さ、テーマの探求など、読者が何を求めているかやその期待がどれだけ満たされたかによって評価は大きく変わります。

まとめ

・有名なボカロ曲が原作のライトノベル。

・引きこもりの主人公が活発なヒロインに影響されていく様子が丁寧に描かれている。

・王道かつシンプルなストーリーだけれど、キャラクター1人1人の描写は薄め。

メディアミックス

2022年8月にSTUDIO koemeeのチャンネルでボイスドラマの配信が始まり、翔役を伊藤節生さん、レナ役を鈴木みのりさんが演じました。

ダイジェスト形式ですが本作の内容を最後まで配信しているので、本作の前にこちらを見るのもありです。

また同年7月から電撃大王でコミカライズが始まっており、1巻2巻が発売中です。

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