2020年に連載が始まった『ウマ娘 シンデレラグレイ』。
12~14巻まではマイルチャンピオンシップからジャパンカップまでが描かれましたが、マイルチャンピオンシップでオグリキャップと競うのは今まで接点のなかったバンブーメモリー。
そのためどうやってストーリーに絡ませるのだろうかと思っていたのですが、オグリにとってマイルチャンピオンシップが重要なレースになっていました。そのことについてネタバレ有で解説します。
マイルチャンピオンシップが始まるまで
12巻はトレセン学園でオグリとバンブーが出会うところから始まる。バンブーはオグリへマイルチャンピオンシップに出走し、無茶を承知で自分と勝負するように頼み込んだ。
どうして無茶なのかというと、この2つのレースは1週間しか空いていないからだ。
オグリは以前マイルチャンピオンシップで走ることができなかったディクタストライカから、「悔いのないようにな」と言われたこともあり、ジャパンカップとの連闘を希望。
オグリのトレーナーである六平は最初反対したものの、2つのレースを連闘するためにはどうすればいいかを考える自分に気づき、最終的には承諾した。
そしてレース当日、レースの前にバンブーは参戦したオグリに感謝する。
レースにかける夢
マイルチャンピオンシップはバンブーにとっての夢を叶えるレースであり、六平やバンブーのトレーナーである奈瀬が夢というものをどう捉えているかが明らかになるレースでもある。
バンブーの夢はすでに活躍しているオグリたちと同じレースを走り勝つこと。
奈瀬は夢という概念からは距離を取り、レースが始まったら見届けることしかできないという立場をとる。そして六平にとっては夢は自分の苦い記憶を思い起こさせる言葉だ。
13巻では六平の回想が挟まれる。過去の六平はレースに自分の夢を見すぎた結果、担当のウマ娘を追い詰めてしまった過去があった。
そのため達成可能な目標やウマ娘の希望を重視するようになったのだが、そんな六平がもう1度夢を見てしまう走りをするのがオグリだ。
オグリとバンブーはほぼ同時にゴールし写真判定にもつれるものの、勝利したのはオグリ。
そして奈瀬は若い頃の六平とオグリは青臭いところが似ていると評し、自分がそんな六平のことを嫌いなのだと自覚する。
そんな奈瀬だが冷静かつ冷徹なだけのキャラクターなのかというとそうではない。
レース後バンブーに対し、オグリが全力で走れるようあえてコースを空けていたことについて理由を聞き、「真っ向勝負がしたかった」と聞いて自然と笑みを浮かべたからだ。
そしてジャパンカップへ
13巻でジャパンカップに出走するキャラクターが紹介され、14巻ではジャパンカップが描かれる。
ジャパンカップはアメリカ代表のシーフクロ―とイギリス代表のイブビンディにより、後に事件と呼ばれる原因になるほどのハイペースでレースが進む。
このハイペースについていけず上位争いから脱落するウマ娘が続出する中、オグリは上位を狙える位置をキープしていた。
その一方スタミナが強みのはずのスーパークリークはついていけない。一見奇妙に見えるものの、このことについてシングレでは↓のように表現している。
- オグリはマイルチャンピオンシップの経験からハイペースに慣れがある
- クリークは自分のペースを超えたハイペースについていけない
マイルチャンピオンシップには名前のあるキャラクターはオグリとバンブーしか参加していないため、オグリが中央に移籍してから主に戦ってきた中距離を走るキャラクターは直接関われない。
けれど夢をテーマにバンブーや六平を描き、レース後は体を休めるために向かった健康ランドでジャパンカップでぶつかるフォークインと出会うなど、ジャパンカップに向けての盛り上げる一因になっていた。
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