先日『機動戦士ガンダム 水星の魔女』を見てZOEシリーズを思い出した記事を書いたのですが、これをきっかけに懐かしくなったのでZOEシリーズについての解説記事を書きました。
1作目は2001年にPlayStation2で発売し、最新作が2018年にPlayStation 4とSTEAMで発売するという経緯をたどったゲームについて、少しでも多くの方に存在を知ってもらえれば幸いです。
ZONE OF THE ENDERSの解説
『ZONE OF THE ENDERS(ゾーン オブ エンダーズ)』は2001年にコナミから発売されたPlayStation2用のアクションゲームです。
小島秀夫プロデュースとして作られ、様々なロボットアニメの影響を強く受けた作風でスピンオフのアニメも展開。
発売したのはPS2の初期でしたが、オービタルフレームを含めたメカのグラフィックや演出は当時のゲームとしては群を抜いていました。
オープニングテーマ『KISS ME SUNLIG『TS』とエンディングテーマ『flowing destiny』は名曲として知られています。
また初回版には『メタルギアソリッド2』の体験版が同梱されており、こちらも話題になりました。
ゲームのジャンルは『ロボットアニメ・シミュレータ』と表記され、オービタルフレームは常時浮遊状態であり、近接攻撃や遠距離攻撃など多彩な武器を使って敵と戦います。
操作感覚は軽快かつスタイリッシュで、カメラワークや効果音も迫力がありました。
ゲームの舞台は22世紀の火星やその周辺の宇宙で、火星では地球からの独立を目指す軍事組織バフラムと地球の連合宇宙軍UNSFが対立しており、オービタルフレームはその争いの中で重要な役割を果たします。
主人公は火星に住む少年レオ・ステンバックで、バフラムによる基地襲撃の混乱の中で偶然にも最新型のオービタルフレーム『ジェフティ』に乗り込んでしまうことに。
ジェフティには人工知能ADAが搭載されており、ADAはレオと共に戦いながら成長していきます。
アニメもありました
ゲーム発売前から同一世界観を持つアニメ作品の製作が決定しており、アニメはOVAとテレビアニメの2作品が制作されました。どちらも製作はサンライズです。
OVA版は『Z.O.E 2167 IDOLO』というタイトルで2001年3月に発売。
『ZONE OF THE ENDERS』の前日譚にあたり、オービタルフレームの試作機イドロの開発と暴走にまつわる物語です。
主人公はバフラムに所属するラダム・レヴァンズ。
ラダムは歴史上初のオービタルフレーム・イドロのテストパイロットに選ばれました。
イドロはラダムの恋人であるドロレス・ヘイズが開発に携わっており、ラダムはイドロに乗って地球軍と戦うことに。
イドロとメタトロンの秘密を狙う陰謀に巻き込まれてしまい、ラダムは愛するドロレスを失ってしまいます。
テレビアニメ版は『Z.O.E Dolores, i』というタイトルで、2001年の4~9月の間に放送されました。OVA版の直接的な続編にあたります。
主人公は運び屋として生活している中年男性のジェイムズ・リンクス。
ジェイムズはある日、元妻から託されたオービタルフレームのドロレスと出会います。
AIを搭載するドロレスは言葉を話し、ジェイムズのことをおじさまと呼んで慕う無邪気な少女のような性格をしていますが、実は地球と火星の戦争に関わる重要な秘密を持っています。
ジェイムズはドロレスを巡る陰謀から逃れながら離れ離れの子供たちと再会し、家族の絆を取り戻そうとします。
ジェイムズは仕事に熱中して家庭を顧みなかった元妻や、自分を恨んでいる子供たちとの関係を修復しようと奮闘しますが、それは決して簡単なことではありません。
彼らの間にはわだかまりや誤解があるからです。
しかしジェイムズは決して諦めません。ドロレスという不思議なパートナーと共に自分の信念や愛情を貫きました。
この2作は2012年にブルーレイになることが2012年のイベントで発表されました。
Z.O.E 2173 TESTAMENTの解説
Z.O.E 2173 TESTAMENTは、2001年発売のゲームボーイアドバンス用のシミュレーションロールプレイングゲームです。
シリーズ外伝作であり時系列はゲーム3作目の『ANUBIS ZONE OF THE ENDERS』の一年前にあたります。
開発はウィンキーソフトが担当しており、ウィンキーソフトはスーパーロボット大戦を手掛けたメーカーであるためシステムに共通点がありました。
本作品の主人公は、火星と地球を往復する移民船ボナパルドV号で働いていたケイジ・ミッドウェルという少年です。
ある日、船の格納庫で出会った謎の少女ミオナ・オルデランと、同じく謎の機体テスタメントと共に火星に降り立ち、反地球レジスタンス組織BISの一員として行動していくことになります。
本作品はターン制のシミュレーションロールプレイングです。
通常の戦闘の他に、インタラクティブ・アクション・システム(IAS)という特殊な戦闘方法もありました。
これは制限時間内に画面内を動き回る敵機にカーソルを合わせて攻撃したり、逆に敵機のカーソルから逃げたりすることで、命中率や回避率を上げることができるシステムです。
ANUBIS ZONE OF THE ENDERSの解説
ANUBIS ZONE OF THE ENDERSは、2003年に発売したPlayStation 2用のアクションゲームです。
ストーリーは前作から2年後。火星のコロニーであるアンティリアがテロ組織バフラムに襲撃されたところから始まります。
主人公のディンゴ・イーグリットはバフラムの元兵士であり、ジェフティを奪おうとしたバフラムのノーマンに射殺されますが、ジェフティのAIであるADAによって一命を取り留めます。
しかし、ディンゴはジェフティと生命維持装置に繋がれた状態になり、ジェフティが存在しなければ生きられなくなります。
ディンゴはADAと共にバフラムと戦うことを決意し、バフラムが持つ最強のオービタルフレームであるアヌビスと対峙することになります。
ゲームは、オービタルフレームを操作して敵と戦うアクションパートと、ストーリーを進めるカットシーンパートで構成。
アクションパートでは高速移動や空中戦が可能で、様々な武器やサブウェポンを使って戦います。
カットシーンパートでは、アニメーションなどで描かれた映像が流れます。ゲーム全体では、Z.O.Eシェードという3DCG描画技術によって当時としては美麗なグラフィックが実現されています。
主題歌『Beyond the Bounds』のインパクトや、時系列をシャッフルすることでネタバレだらけなのにネタバレになっていないオープニングムービーのように、ゲーム部分以外にも見どころがありました。
ちなみに『ANUBIS ZONE OF THE ENDERS』は日本国内でのタイトルで、海外では『ZONE OF THE ENDERS THE 2nd RUNNER』というタイトルです。
ZONE OF THE ENDERS HD EDITIONの解説
PS2で発売された『ZONE OF THE ENDERS』と『ANUBIS ZONE OF THE ENDERS』の2作品を収録し、グラフィックを高画質化したほか、トロフィーやアチーブメントにも対応。
サンライズ製作のオープニングムービーも新たに追加されています。
2012年にPlayStation 3及びXbox360にて発売したものの、ゲームとしての評価は芳しくありませんでした。
その原因は処理落ちがひどいというもので、PS3版は修正パッチが配信されたものの360版は配信されず、そのことも評価の低さの理由となっています。
修正パッチを担当したヘキサドライブのブログでは内容の解説があり、元々のHD EDITIONを担当したのが海外の会社であるためネイティブの資料はなく、ソースコードを解析し対策を講じたことなどが分かります。
ANUBIS ZONE OF THE ENDERS : M∀RSの解説
『ANUBIS ZONE OF THE ENDERS : M∀RS』は、2018年にPlayStation 4とSTEAM(PC)向けに発売しました。
本作の主な特徴はVRモードの追加と4K解像度・HDR対応のグラフィックの向上です。
他にも
・PC版及びPS4限定版ではDolby Atmosに対応
・ボタン割り当てにPROを追加
・難易度VERY EASYの追加
・チュートリアルの充実
・ミニマップの搭載
・MODEL VIEWER、HANGAR、CINEMATIC THEATERを収録
等があります。
本作を担当したのはサイゲームスで、サイゲームスの社長にとってANUBISが思い入れのあるタイトルであることがファミ通のインタビューで知ることができます。
また本作の宣伝としてADAからVTuberという単語が出るネタ要素強めの動画シリーズもあります。
レゴブロックでジェフティを作る動画もありました。
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