現在放送中のアニメ『機動戦士ガンダム 水星の魔女』について、『新世紀エヴァンゲリオン』シリーズとの類似点を指摘する声を見かけるようになりました。
個人的にはKONAMIから発売した『ZONE OF THE ENDERS』の影響を感じられたので、そう思った箇所や『ZONE OF THE ENDERS』シリーズについて簡単に解説します。
『ZONE OF THE ENDERS』はアニメもあるゲームのシリーズ
『ZONE OF THE ENDERS』は、木星圏や火星圏を舞台に、メタトロンという特殊な鉱石を用いた巨大人型兵器オービタルフレームの戦いを描いたゲームです。
ゲームとしては大きく3つ、細かく分けると5つ発売し、この他にスピンオフのアニメが2つあります。
とくに有名なのが2003年にPS2で発売した『ANUBIS ZONE OF ENDERS』。
ロボット(オービタルフレーム)を操作すること爽快感を得られる派手な戦闘、時系列をシャッフルすることでネタバレしまくりなのにネタバレになっていないオープニングなど様々な魅力のあるゲームでした。
特にゲーム中の映像とアニメを混ぜたオープニングは今でも通用する内容です。
この動画で流れる主題歌『Beyond the Bounds』が収録されたサントラは再販が続いているようで、2023年5月現在でもAmazonで新品を正規の値段で買うことができます。
影響を感じたのはメタトロンの設定
影響を感じたのは劇中に出てくるメタトロンの設定です。
『ZONE OF THE ENDERS』の世界でメタトロンとは金属を含む複合高分子体を指し、エネルギー資源としての優位性のみならず、その多様な利用価値が注目を集めたという設定で登場しました。
劇中では装甲、動力源、量子コンピューターなどに使われており、オービタルフレームにも使用されています。
そんなメタトロンは以下のような特徴を持ちます。
- エネルギーを与えてスピンさせると周囲の空間を巻き込んで圧縮することができる
- 高純度で大量使用すると、魔法としか思えない既存の物理法則を無視した現象を引き起こせる
これを利用した技術はゲームでも登場します。
他にも接触した人間の記憶や人格、思想などを記録し、同時にそれまでに記録したものを触れた人間に対しフィードバックするという特性を持ちます。
ですがメタトロンによって自身の欲望や願望をに肥大化させてしまうというリスクがあり、強靭な精神の持ち主でなければ扱い切れないという設定も。
そのためメタトロンとランナー(パイロットのこと)の間にAIを挟み、メタトロンの影響を防いでいます。
それではAIを搭載したオービタルフレームなら強靭な精神の持ち主でなくても問題なく乗れるのかというと、その辺りは曖昧です。
AIに人格がコピーできる
上記のようにメタトロンは人間の人格や記憶をコピーする特性があります。
ゲームとアニメでそれぞれドロレスとヴァイオラAIという名前で登場し、どちらもオービタルフレームに搭載されています。
ドロレスは開発者のドロレス・ヘイズが死の間際に人格をコピーしており、ヴァイオラAIは戦死したヴァイオラというキャラクターの好戦的な人格の一部や戦闘データをコピーしました。
このヴァイオラAIについてはエヴァに登場するダミープラグに近いものがあります。
またトップの画像に使用しているのは2012年に発売したサントラのアレンジ版、『ZONE OF THE ENDERS ReMIX EDITION』です。
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