青春部活ラブストーリー漫画と分類されるように、スポーツものとラブコメの間にあるような独自性を持つ漫画『アオのハコ』。
いい感じの雰囲気を醸しつつも1歩が踏み出せない3人の距離感を瑞々しく描く本作について、3巻までの内容をネタバレしつつ解説します。
本作について
連載が始まったのは2021年で掲載は週刊少年ジャンプ。2022年12月現在8巻まで販売中です。
スポーツ強豪校であり中高一貫校である栄明学園に通う猪股大喜は、気になる先輩がいるもののその先輩は親と一緒に海外に行くことが分かる……というのが始まり。
大喜の憧れの先輩である鹿野千夏と、大喜の友人である蝶野雛との三角関係を大喜を中心に描いています。
ですが3人はそれぞれ大喜がバトミントン。千夏はバスケで雛は新体操とそれぞれ部活があり、そちらの描写もあるためラブコメだらけという構成にはなっていません。
youtubeのジャンプチャンネルでボイスコミックを4話まで配信しており、こちらでも本作独自の魅力を感じ取ることができます↓
また本作は2020年に読み切りを掲載しており、そちらもボイスコミックになっています↓
主なキャラクター
猪股大喜
本作の主人公。1話で中3から高1に。バトミントン部所属。
憧れの先輩である千夏と同居することなり、体育館で話す程度の距離だった仲が一気に縮まりますが、千夏がバスケのために日本に残ったことを知っているため、恋愛面で距離を詰められません。
大喜はバトミントン、千夏はバレーと違う部活ではあるものの、体育館で出会うことがあるのは今まで通りなのもあり、千夏とは仲の良い先輩と後輩の関係を維持しています。
鹿野千夏
本作のヒロイン。1話で高1から高2に。バスケ部所属。
両親が海外に行くことが決まり、自分も一緒に海外へ行くつもりだったものの、バスケのために日本に残ることを決めます。
大喜の母と千夏の母がバスケ部時代のチームメイトであり、その縁がきっかけで両親の渡航後は大喜の家に住むことになりました。
同居後も大喜に対しての態度に変化はありませんでしたが、同居をきっかけに大喜を意識する描写が出てくるものの、それが恋愛感情なのかはぼかされています。
蝶野雛
本作のヒロイン。大喜と同学年で新体操部所属。
大喜とは中学からの付き合いで、大喜が千夏に好意を持っていることも知っています。
雛も大喜のことを意識している描写が序盤から挟まれつつ、3巻で大喜に好意を持っていることがはっきりと表れます。
そのため千夏に対しても複雑な感情を持っている描写もありますが、はっきりとライバル視しているわけではありません。
ただ千夏のことを『可愛くて優しい人物』と捉えつつ、『なんかすっごい性癖持っててほしい』と思っていたりもします。
また大喜と千夏が同居していることを知ったときにショックを受けたり、2人がミサンガをつけるようになったことに不満を持つ描写もあります。
踏み出せない3人
この3人の微妙な距離感を描くのが本作ですが、青春部活ラブストーリーとあるいうに本作はラブコメに偏りません。
3人とも強豪校の運動部に所属しているため、恋愛に対して積極的になれないところがあります。
特に大喜がその典型で千夏と同居するようになったものの、千夏がバスケのため日本に残り他人の家に同居することを選んだことを知っているため、告白しようといった考えにはなれません。
千夏もバスケが最優先でそれ以外のことは優先順位が低いです。大喜を意識しつつ大喜と雛の関係も考えている描写があるものの、だからといって2人に対して何らかの行動を起こすわけではありません。
その一方大喜の友人に頼まれたこともあり、大喜と一緒に水族館に行くこともありました。
このとき買ったペンギンのぬいぐるみをバッグにつけていることは雛に気づかれています。
その雛も雛で大喜が千夏のことを好きなのを知っているため、自分自身の思いについては出さないようにしているため恋愛面では進展がありません。
大喜のインターハイ予選で雛は大喜に弁当を作ると冗談風に言います。この発言は大喜があっさり負けたこともあり、本当に弁当を作ってきたのかも曖昧なまま大喜のインターハイは終わりました。
また新体操部はバトミントン部とバスケ部に対して距離があるようで、部活動中の接点も大喜と千夏に比べて少なめです。
雛の場合は全中で4位、高1のインターハイ本選で3位という好成績のため、インターハイ予選敗退の大喜とは部活中に接点を持ちにくいというのもあるかもしれません。
本作ではスポーツものに比べれば試合描写は少なめですが、それでも試合の描写あり3巻で大喜は予選落ち、千夏は本選まで上がれたものの敗退という結果でした。
大喜が自分と千夏の差に落ち込み、体調を崩して部屋で寝込んでいるところに千夏が現れ、大喜に声をかけるところで3巻は終わります。
カルピスとのコラボ企画もあり、動画も作られています↓
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