とことん緩いストーリーと設定の下で飯テロと優しい世界が繰り広げられる『姫様“拷問”の時間です』。
本作について2巻までの内容に触れつつどんな作品なのかを解説します。2巻までのネタバレが含まれますのでネタバレがダメな方はご注意ください。
あらすじ
魔王軍に囚われた国王軍の姫は、国王軍や国の秘密を喋るよう拷問官から拷問を受けることに。
その拷問や目の前で食事をする飯テロのような残酷さのないものでありつつも、姫にとっては効果的で耐えようとはするものの最終的には秘密を話してしまう……といった内容。
本作は2019年から『少年ジャンプ+』連載が始まり、原作は春原ロビンソンさんで作画はひらけいさん。
毒のないギャグ漫画と評価されています↓
こちらで3話まで読めます↓
キャラクター
姫様
本作の主人公。国王軍第三騎士団長ではあるものの本名は不明で、周囲からは姫様と呼ばれます。
回想で描かれる騎士団長として戦っていた頃は、幻術を使う敵に対しては舌を噛んで対抗し、味方に裏切られたときは即座に反撃するといった勇ましいエピソードのあるキャラクターでした。
ですがそれは幼い頃からの鍛錬や勉学によって育てられたもの。
姫様自身は誘惑に弱くてちょろくて食べ物に弱く、友達と遊ぶことに憧れたり、国民がたこ焼きを食べる姿を見て羨ましがる性格です。
最初は拷問に抵抗するものの最終的には簡単に秘密を喋ってしまうというのが、序盤の基本的な流れのため主人公であり話の軸ですが、話が進むと拷問とは関係なくゲームしたり遊びに行く話も出てきます。
エクス
姫様の相棒で人格を持ち喋る剣。姫様と一緒に戦ってきたため姫様を信頼していたものの、簡単に拷問で屈する姫様に呆れたりツッコミを入れる立ち位置に。
2巻では刀身のメンテナンスを中途半端にされるという拷問を受け、メンテナンスをちゃんと受けたいからと秘密を喋る回もあります。
この回では普段と姫様との関係が入れ替わり、姫様に呆れられていました。
トーチャー・トルチュール
魔王軍最高位拷問官。姫様に様々な拷問を仕掛けるもう1人の主人公といったキャラクターです。
冷静かつ的確に姫様を拷問し、姫様の欲望や感情を刺激して姫様の派手なリアクションを引き出しつつ、本人は冷静という姫様との拷問中のギャップが本作の魅力の1つ。
主に飯テロで姫様に拷問を仕掛けるものの、姫様が秘密を喋った後は拷問に使った料理をちゃんと食べさせるなど、姫様に対して丁寧に接するので本作がシリアスにならない要因の1人です。
魔王
魔王軍のトップであり、トーチャーが拷問によって手に入れた情報を受け取る地位にいるのですが、何かしらの理由をつけて拷問を続けるよう命令します。
その理由も秘密を手に入れても、『魔王軍は弱すぎるからその程度の秘密では勝てない』や『そんな強い武器は怖くて使えない』と不採用扱い。
『アニメをリアタイ視聴したいからその日はダメ』といったものもあり、せっかく手に入れた秘密を書いた紙を失くしてしまうなど本作をギャグ漫画になる原因の1人です。
王国軍と対立しているのですがそのようなシリアスさはほとんど出てきません。子供のおままごとに付き合ったり、声優のライブに参加するといった子持ちのオタクじみたキャラクターとして描かれます。
本作の主要なキャラクターはこの3人と1本です。
緩い世界観
本作の特徴として世界観の緩さが挙げられます。王国軍と魔王軍の対立が回想くらいでしか描かれないのもそうですが、何より世界観が緩いです。
姫様の服装だけ見たらファンタジーな世界に見えますが、一般人はTシャツを着ていますし、たこ焼きどころかカップ焼きそばもあります。
拷問には姫様の前でニンテンドースイッチのようなゲーム機で遊んだり、途中まで海外ドラマを見せたうえでネタバレをほのめかすというものも。
またスマホも存在し捕らわれているはずの姫様も持っているので、エクスが「それで外部に助けを呼んでください」とツッコミを入れたこともあります。
姫様も回想では凛々しい姿が描かれるのですがそこでは、
- 『遠征中にカップ焼きそばを食べる』
- 『水を飲んだ後ですぐ動いたらわき腹が痛くなり、右手を上げていたら周囲が勝手に盛り上がる』
といった場面もあり、凛々しいだけではなかったことも明らかに。
捕らわれた後の姫様のトーチャーや他の拷問官、魔王の娘であるマオマオちゃんとも仲良くなり、緩くて優しい世界が続きますが魔王が深刻そうな顔をするところで2巻は終わります。
また2巻には週刊少年ジャンプに載った読み切りも掲載されています。
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