高校生の少年と20代の女性によるおねショタが楽しめる料理漫画、『アリスさんちの囲炉裏端』。
この漫画は大きなイベントは起きず、淡々と日常が進むほのぼのとしたきらら系ラブコメともいえます。そんな本作がどんな作品なのかを解説します。
あらすじ
10年ぶりに地元に戻ってきたアリスは、囲炉裏のある古民家で地元での生活を始めました。
幼馴染である晴海は10年ぶりの再会にアリスの変化を感じつつも、囲炉裏を囲んで話したり食事をするうちに居心地のよさを感じます。
再会以降も晴海はアリスと関わり続け、そのうち2人の距離が縮まっていく……という内容です。
囲炉裏
タイトルにもある囲炉裏は本作において重要なポジションを占めます。料理漫画であるため毎回料理病描写があるのですが、本作では基本的に囲炉裏を使って調理します。
1話ではベーコンを焼き、2話ではぜんざいを煮込み、3話ではイノシシ肉を焼くのですが、このとき使ったのはすべて囲炉裏でした。
こちらで3話まで読むことができます↓
序盤は古民家周辺でエピソードが描かれるのですが、話が進むと外出するようになりお弁当を用意することも。そのお弁当も囲炉裏で作ったものが出てきます。
とはいえ本作はあくまで『囲炉裏を使って調理する漫画』であり、『囲炉裏の漫画』ではありません。
アリスが古民家に住むのも亡くなった祖母が住んでいた家だからで、囲炉裏に思い出はあっても囲炉裏マニアではないのです。そのため囲炉裏の種類や歴史について触れるエピソードはありません。
ライバル不在
アリスと晴海の仲は10年ぶりの再会の割にはあっさり仲良くなり、2巻で一気に進展します。
3話で晴海の後輩であるほのかがアリスのライバル的なポジションとして登場するのですが、初対面では警戒していてもあっさりアリスにデレるため、三角関係のようなこじれ方はしません。
それどころかほのかはアリスと晴海の仲を認めるようになります。
アリスと晴海は10年ぶりの再会だという1話から親し気に話すので、この部分に違和感を持つ方でなければ、肩の力を抜いてゆったりとした気持ちで読むことができるでしょう。
1巻では晴海の祖父、2巻ではアリスの仕事上の知人である誠、3巻ではほのかの友人あかりが登場する物の、良くも悪くも変わらず話が進みます。
2巻で晴海がアリスに告白し、アリスは晴海がまだ若いからと高校を卒業しても気持ちが変わらないならオーケーという返事をしました。この出来事について誠は2人の関係を許嫁だと指摘します。
ほのかがアリスと晴海の仲を認めるのは晴海がアリスに告白した後です。そのためほのかは負けヒロインといえるのですが、落ち込んだり悲しんだりといった直接的な描写はありません。
良くも悪くも変わらない
本作全体の特徴として登場するキャラクター感情が強く揺さぶられる場面を描こうとしないところがあります。アリスが祖母のことを思って泣くエピソードもあるのですが、その場面は台詞はありません。
エピソードの大半はまったりとした大きな変化のない内容の本作ですが、漫画のコマ割りも変化がありません。
というのも毎回何かしらの出来事が起きて料理を食べ、その後のやり取りでその回が終わるのですが、コマ割りも毎回同じような展開をします。
具体的に書くと毎回どこかしらで丸々1ページか1ページの大半、回によっては見開き2ページ分を使ってアリスを描きます。
特に3巻以降はアリスも晴海をはっきりと意識するようになったため、アリスのデレた顔がほぼ毎回出るように。
晴海とアリスの仲はほぼ決まったようなもので、登場人物も少ないため変わらない日常感が強まります。
現状3巻まででサクッと読めるので、まったりとした日常が舞台のライバルが現れないゆるめの年の差ラブコメとして読むことができる漫画です。
1巻と2巻でも表紙の絵柄は変わりますが、3巻はもっと変わります↓
またこの3巻ですが、巻末のおまけに『アリスさんちのあれやこれ』というラフ絵集のようなページがあり、髪型や絵柄の違うアリスが描かれています。
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