「グランディア」や「グランディアⅡ」に触れてきたので、「グランディアエクストリーム」にも触れるべきだろうということで今回はこのゲームを取り上げます。
どんなゲーム?
「グランディアエクストリーム」は2002年にPS2で発売されました。タイトルに数字がついていることから分かるように本作はスピンオフ扱いとなっています。
実際に遊んでみると確かにグランディアの要素はあるのですが、過去作とシナリオなどで大きな違いがありそれは否定的に受け取られました。
ですが戦闘の面白さ、マナエッグやスキルの成長要素は過去作にない魅力を持つため、失敗作の一言で切り捨てられるにはもったいないゲームです。
そんな「グランディアエクストリーム」をシナリオとシステムに焦点を当てて解説していきます。
シナリオ
本作は主人公のエヴァンがある日、ノーチス軍に精霊暴走という現象に対し協力しろと出頭要請を受けるところから始まります。
エヴァンはそれを断った結果、ノーチス軍に拉致られてロッカ村まで連れていかれるという雑な導入です。
エヴァンは地導師でその力を必要とされたからですが、軍の中に幼馴染のクロイツを見つけて不機嫌になりました。
軍人になり出世したクロイツは軍の中で高く評価されますが、エヴァンは「あいつはろくな奴じゃない」とその評価に否定的だからです。
じゃあエヴァンの知るクロイツはどんな人物でどんなことをしてきたのかというと、そのあたりの描写は全くありません。ここも雑です。
エヴァンは地導師であることを理由に複数の種族で混成された部隊のリーダーを任せられるのですが、これは消去法で選ばれたようなものでした。
リーダー就任
部隊はノーチス、アルカダ、ハズマという地域からそれぞれ2人ずつ選出されたわけですが、お互いによく知らない相手でノーチスとアルカダは対立関係にあるため、地導師であるエヴァンが隊長をやることが波風立てずに済む一番の人選だったからです。
パーティ間の対立や軋轢は残ったまま、精霊暴走について調べるために複数の遺跡を調査するのですが、ここでイベントが起きパーティ間の軋轢が薄まるなんてことは起きません。
いつの間にかそれなりに仲良くなっています。こっちも雑ですね。
ルティナ襲撃
シナリオが中盤に差し掛かるとルティナというアルカダ出身のキャラクターが現れます。ルティナはクロイツの野望について知っていてそれを止めることを目的としていました。
パーティ内のアルカダ出身のキャラクターと顔見知りですが、ルティナは話もせずにいきなり命を狙い倒されると売国奴と罵ってきます。
知り合いだから説得しようなんてことはありません。いきなり襲ってきます。このことについて何のフォローもありません。こういうところも雑です。
地導師
そもそもエヴァンも地導師であることを理由に拉致られたわけですが、地導師であることがシナリオで生かされる場面は序盤にしかありません。
エヴァンは地導師として、ロッカ村の遺跡とダンジョンを簡単に行き来できる魔法陣のようなものを作ることができるのですが、そのことで特別評価されることもなく、できて当然であるかのようなあっさりとした扱いを受けます。この辺りも雑ですね。
ヒロイン不在
それに「グランディアエクストリーム」にはヒロインがいません。確かに複数の女性キャラクターと最初は距離があっても、仲良くなるというイベントはあります。
ですがそれはシナリオには直接関係なく、打ち解けたてどうなった的なイベントもありません。
過去作はどちらもヒロインが存在し、恋愛要素があったため比較するとシナリオの無味無臭さが強まります。
シナリオは本当に薄味で特別面白いところはなく、ただでさえ薄いのにイベントはフルボイスでテンポが悪く、スキップや早送り機能もないのでこのゲームのシナリオ面はある種の苦行でした。
戦闘
ここまでシナリオについてボロクソに書いてきましたが、このシナリオが気にならなくなるレベルで戦闘が面白いのがこのゲームです。
画面では行動を起こせるゲージが、過去作の横への一直線から円環に変わっただけですが、スキルシステムが導入され敵も味方先へ進めば進むほど行動が早くなるため、進めば進むほど面白くなり奥深さに気づくようになります。
私はプレイ時間が50時間を超えたところで、自分がこのゲームの戦闘を理解していなかったことに気づきました。
魔法を使うためにはマナエッグ、スキルをつけるためにはスキルブックが必要になりますが、この2つはキャラクターごとに持てる数に制限があるので元々の能力や技以外の面でもキャラクターの差別化がされています。
このゲームはシンボルエンカウントで、ダンジョン内の敵と接触することで戦闘が始まるのですが、その際にロードが発生することなくすぐに始まるのも戦闘の楽しさの一因ですね。
それに後半になると1作目や2作目の戦闘BGMも流れるようになるんで、それも刺激になり飽きずに戦い続けられるゲームでした。
レアアイテム
「グランディアエクストリーム」はレアアイテムの存在でネタ的な意味でも知られています。
特に手に入りにくいのがドラゴンワンドというアイテムなのですが、これは特定のモンスターしか落とさずその確率も0.002%(つまり50000分の1)。
それでいて強いわけでもないという設定を間違えたんじゃないかとツッコミを入れたくなるアイテムです。
まとめ
このゲームはプレイヤーにRPGの面白さはどこにあるのか問いかけてきます。シナリオを重視し戦闘は軽視する方にはクソゲーですが、戦闘を重視しシナリオを軽視する方には長時間遊べる名作へと評価が変わるでしょう。
エクストリームとは極端という意味の言葉ですが、その文字通り「グランディアエクストリーム」は極端なゲームでした。
またサントラ1つにCD1枚と過去作に比べると曲数は少ないですが、中身は過去作に劣りません。
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