アニメ『ぼっち・ざ・ろっく!』の1~8話は原作だと1巻の内容です。アニメ化によって原作から変更された点をアニメ版を基準に解説します。
原作について
比較の前に原作について簡単に触れます。原作は2017年にまんがタイムきららMAXにてゲスト作品として掲載されたのが初出で、その後連載が決まります↓
2018年に連載が始まるのですが、ゲスト作品として登場したのがそのまま1話の内容に当たるため、バイトに行きたくなくて氷風呂に入るところから連載は始まりました↓
2019年に行われたのインタビューでは作品が生まれた経緯についても触れています↓
このインタビューではきららMAXでは珍しく、アニメ化が決まっていないときから表紙に採用されていたことや、『けいおん!』を意識しつつ被らないようにしていたことに触れています。
アニメ5話では星歌は虹夏に「一生仲間うちで仲良しクラブやっとけ」と言いますが、原作では「一生仲間うちで楽しく放課後やってとけよ」でした。
『けいおん!』の主人公たちが組むバンドの名前は放課後ティータイムであり、映画のコピーは『私たちはいつまでも放課後です。』↓
この2点を踏まえると女子高生がバンドを組む話であっても、『けいおん!』とは違う話をやっていく作者の意思表示が強く出た場面といえます。
また製作初期のぼっちはもっと明るい子として描かれており、そのときのぼっちのイラストもTwitterで見ることができます↓
後藤ひとり最初送ったのこれだったのにガチにしろって担当さんに言われてあんなのになってしまった pic.twitter.com/HIHI7trh8m
— はまじあき🎸アニメありがとう📺 (@hamazi__) 2018年6月22日
またアニメ化発表時のツイートはこちら↓
【速報】『ぼっち・ざ・ろっく!』TVアニメ化決定!
というわけで今月号の表紙&巻頭カラーは『ぼっち・ざ・ろっく!』です!!
今回はまだアニメ化決定の情報だけですが、
続報は今後本誌で順次発表していく予定ですので、お楽しみに! pic.twitter.com/srPMKGrY93— まんがタイムきらら編集部 (@mangatimekirara) 2021年2月18日
演奏パートの存在
最も大きな違いが演奏パートの存在です。原作にもアニメ5話のオーディションや8話の初ライブはありますが、バンドとして演奏している場面は原作では少ししか描かれません。
オーディションの演奏は1ページ、初ライブでも4コマから大きなページに変わるものの描写は3ページです。演奏中の描写もぼっちに焦点を当てた内容となっており、1巻では歌詞も出ません。
ただオーディションでは最初に、『あのバンド』と『ギターと孤独と蒼い惑星』を歌うと虹夏が宣言しています。
どちらもアニメで歌として登場しています↓
演奏には直接関係ありませんがアニメ5話でキノコヘアーにしてスーツを着る場面がありました。
原作の同じ場面ではカツラを被るだけでスーツは着ていませんし、ヴィレヴァンのことも話題に出ていません。
薄くなった毒
これも大きな変化で、原作では毒のある描写がアニメではカットされたりマイルドになっています。
アニメ1話でぼっちは自分を『心のよりどころがギターだけの引きこもり一歩手前』と自虐する歌を歌いますが、原作ではこの前に『バカで運動オンチ』、『人の目を見れなくて話すときに「あっ」をつける』とあり、アニメでは自虐が抑えめになっています。
またアニメ1話ではバンドグッズを大量につけて登校したものの、誰からも話しかけられず静かにグッズを外す場面があります。
原作でも同じエピソードはあるのですがモブのクラスメイトがぼっちを、
「秋葉原によくいる人?」
「何か怖いし話しかけるのやめとこ…」
と冷たい見方をする演出がありました。
この毒は虹夏にもあり、原作で初めてぼっちと演奏したときはぼっちをド下手と評価し、ぼっちがドリンクのメニューを演奏して覚えようとする場面でも、「ぼっちちゃんたまにマジ怖い」と言っています。
ぼっちが笑顔でお客さんの目を見ることを意識した場面でも、原作では限りなく薄目のぼっちが描かれており、虹夏に「接客業でしていい顔じゃない!」とツッコまれていました。
またアニメでは6話で登場したファン1号と2号も、初ライブにやって来たことは原作も同じですが、原作だとぼっちは自分のファンがいることに気持ち悪いリアクションで喜びます。
その姿を見た1号と2号は、
「こんな人だったっけ?」
「人違いかも…」
と距離をとる反応をしました。
このように毒が抑えめになったアニメ版ですが、5話と8話は原作よりもきつめな部分があります。
5話は原作だと星歌は虹夏に審査があることを話すときに「4月のライブみたいなら出さない」と言いました(つまり内容次第では出せるということです)。
5話ではライブハウスを飛び出した虹夏にぼっちがオーディションのことを伝えましたが、原作では星歌が虹夏が飛び出す前に伝えていますし、オーディション後の星歌の結束バンドへの指摘もアニオリです。
8話はアニメで演奏シーンが具体的になったことで、冷めた観客の反応がはっきり描かれ、結束バンド側も演奏や歌唱が上手くできてないことも原作より強調されています。
途中で退席する観客が出るなど生々しくアレンジされていました。
派手になった演出
アニメではCGや実写などを使った多彩な演出がありましたが、これらはもちろんアニオリです。
例えばアニメ7話のぼっちが体育祭へのトラウマを語る場面ではゾートロープを使った演出がありましたが、原作ではもっとシンプルな数コマ程度のものでした。『No 協調性 No Life』の掛け声もアニオリです。
このゾートロープについては撮影風景をスタッフがTwitterで公開しています↓
#ぼっち・ざ・ろっく
7話アニメの制作風景じゃないんだよなぁ…
ゾートロープという原初アニメーション技術 pic.twitter.com/5X5HY0YH0r— 染野翔 (@hihuki21) 2022年11月19日
変わったもの
アニメ化によって変わった部分は他にあります。
アニメ2話でぼっちはバイトをさぼるために氷風呂にスクール水着で入りましたが、原作では裸です。その後の扇風機の前で演奏するのも原作では下着姿でした。
アー写撮影時にぼっちのパンツが見えてしまうエピソードもありますが、原作ではアニメと違ってはっきりパンツが見えています。
また『ぼっちの胸の大きさがアニメでナーフされた』という意見をSNSで見かけましたが、原作の時点で大きさが変わります↓
流行りの pic.twitter.com/zCHIMHXEx1
— はまじあき🎸アニメありがとう📺 (@hamazi__) 2019年6月16日
喜多ちゃんがアニメ1話でギターを肩にかけたぼっちの姿を認識するエピソードもアニメで追加されたものです。
アニメ3話の喜多ちゃんを引き留めるエピソードも原作ではぼっちが1人で説得していましたが、アニメではリョウがぼっちの言いたいことを代弁する流れに変わりました。
他にも喜多ちゃんがボーカルをやることについてぼっちと喜多ちゃんが話す場面があります。
ここで原作のぼっちは自分がギターとボーカルを掛け持ちする妄想をしていたので、喜多ちゃんがボーカルを担当することに何か思うところがありそうなコマがありました。
またアニメ6話で登場した廣井も原作では右手の甲にタトゥーをつけていましたがアニメではなくなっています。
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